可夢偉6位入賞! - 2009年 F1 最終戦 アブダビGP

2009年の最終戦が終わりました。いやー今回のレースは面白かったです。コースもドライバーがそれぞれ口にしているように、なかなか面白そうなレイアウトですし、オーバーテイクも十分可能なストレート区間がありますし、夕暮れから夜になるというシチュエーションも初めてでしたので、一体どんなレースになるのか始まる前から結構楽しみで居ました。
レースの方は、圧勝するだろうと思われたハミルトンがトラブルでリタイアし、レッドブルが1-2フィニッシュを飾り、最終3戦を全てレッドブルが制するという圧勝でした。シーズン中盤(ダブルディフューザーを装着してから)からの速さはブラウン勢を凌駕していましたし、レギュレーションの解釈の違いから序盤はブラウン勢に及びませんでしたが、もし最初からダブルディフューザーを装着したマシンを開発していれば、今年のチャンピオンシップは違ったものになったかもしれませんね。
いずれにしても、今年はレッドブルの速さが一番象徴的だったシーズンだったんじゃないでしょうか。ダブルタイトルを獲ったブラウンGPよりも印象的でした。それとマクラーレンの底力でしょうか。開幕時のどうしようもないマシンを最後には最速に近いマシンに作り直した訳ですからね。恐るべしです。
3位にようやくバトンが表彰台でしたね。今年中盤以降、表彰台すら立っていなかったバトンでしたが、最後の最後でチャンピオンらしく終わったと言いましょうか(笑)。しかし、ウェバーとの終盤のバトルはなかなか燃えました。チャンピオンを獲得し、何も失うものが無くなったドライバーの心境はこうも変わるものなんでしょうかねー。最後に素晴らしいドッグファイトを見せてもらいました。抜いていれば更に良かったのかもしれませんけど(笑)。

さてさて・・・
今回は何と言っても可夢偉に尽きますねー。いや、ホントにこの男は凄いですね・・。速さは勿論そうですが、僅か2戦しか走っていないのに再びバトンとやり合っての、このアピール度といい、そして今回は6位入賞ですからね。ブラジルGPの時もバトンとのバトルで全世界にその名を轟かせ、歴代のF1ドライバーがアブダビの地で「来季可夢偉を乗せるべきだ」と口々に言ってるそうですね。トヨタにしても悪い事ではありませんし、日本のF1界でも琢磨が乗らない状況が続くくらいなら、可夢偉に是非ともレギュラーシートを得て欲しいと願ってる人は多いんじゃないでしょうか。

そんな状況の中、今回のレースは見事でした。ワンストップという事を選択した可夢偉でしたが、最初のスティントのペースは素晴らしかったですから。ずっとラップタイミングモニターを見てましたが、毎周ベストラップを塗り替えていってましたし、レース途中のバトンへの無線では「今、可夢偉と争っているぞ」という耳を疑う声が(笑)。え、それって3位争いをバトンと可夢偉がしてるって事?みたいな感じで震えましたね(笑)。2ストップのバトンと1ストップの可夢偉とは走っている位置が全然違いましたが、最終的にはそうなるぞ、という無線でしたが、それくらい最初のスティントが良かったという事でしたからね。
とにかくこれだけ国際映像に映りまくってましたから。レース中盤は大部分が可夢偉が映っていたんじゃないでしょうか。それくらいこちらでも注目の走りをしていたんだと思いますし。

ピットインを終えて、ソフトタイヤで出た可夢偉でしたが、数周は若干ペースが上がらなかったのと、途中で44秒台という2秒ちょい遅いラップがあったので、その時はもしかしたらミスでもあったのかもしれません。その後ハイドフェルドとバリチェロの後ろを走っていた訳ですが、チェッカー時には2秒くらいの差でしたので、あのロスが無ければ5位になっていた可能性すらありますから。それくらい今回は素晴らしい走りだったと思います。
参戦2戦目での入賞を見て、中嶋悟を思い出しましたね・・。1987年の2戦目サンマリノGPで6位初入賞したシーンを。その時可夢偉はまだ1歳。なんて月日の経つのが早いんでしょうかね・・。そりゃ私も当時高校生でしたから(笑)。

ノートラブルのトゥルーリが参戦2戦目の可夢偉の後ろでチェッカーだった訳ですから、これが何を意味するかですよね。

来季のトヨタに可夢偉が乗るという事はほぼ確定したんじゃないでしょうか。これで乗せなければ、トヨタは狂ってるとしか思えません(笑)。可夢偉を乗せる事によってどれだけの相乗効果があるのかっていう部分ですよ。それは商売抜きにした、日本におけるF1文化の発展にも繋がる部分かと思います。さて、トヨタがどうするのか、ここは見守りたいと思います。もう一回言いますが、個人的には可夢偉を来季乗せなければ狂ってるとしか思えません(笑)。

中嶋は恐らく最後のウィリアムズでのレースを13位で終えましたが、来季はどうなるんでしょうか。あまりにも不運だった今シーズン、この結果を元にしたシート争いになる訳ですから、非常に厳しいとしか言えないですよね。トヨタが2人の日本人を乗せるとは思えませんし、新チーム辺り(ロータス?)に交渉しているという話も聞きますが、琢磨もその辺りで交渉しているみたいですし、欲を言えば、来季3人の日本人が走っていれば最高なんですけども、どうなるんでしょうか。今後数週間で結構ドライバーの移籍が発表されていくでしょうし、気になるところです。

2010年は給油禁止となり、オーバーテイクの機会が今と同じような難しいものになれば、今年以上に退屈なレース展開となる可能性もありますが、SENNAという名前が戻ってくるという事もあり、ドライバーのシャッフルも相当ありそうなので、長い冬を越えた後の新シーズンを楽しみに待ちたいと思います。

P.S.
レーススタート直後の静止映像からCGにして、どこからでも見れるようにするあの技術、ぶったまげましたね(笑)。ホント、技術の進歩には驚かされます・・。

可夢偉6位入賞! - 2009年 F1 最終戦 アブダビGP” に対して12件のコメントがあります。

  1. たー より:

    久しぶりに集中して見れました(笑)
    可夢偉のたった2戦のアピール度はスーパースターの素質を持ち合わせていますね。
    表彰台なら明日のスポーツ新聞一面可夢偉じゃないか?なんて期待までしてました。
    最低でも可夢偉はトヨタでレギュラーシートかそれ以上のチームまであるかもしれませんが、トヨタが一番に動き出さなければ、もうレース活動自体やめちゃえという感じですかね。
    来季のシート争いが楽しみです。
    それにしてもフィジケラ遅い!歴代のフェラーリドライバーで1、2を争うぐらい酷い!あれならファンサービスでシューマッハが走る方がテーマパークオープン記念にふさわしかったんじゃないですかね(笑)
    あと、CGのカメラ?。テニスやスヌーカーとかいくつかのスポーツ中継で使われておりますが、なんか最初の1、2コーナーくらいしか使い道がなさそう(汗)

  2. りょ より:

    今回の走りを見て「可夢偉」をIMEのユーザ辞書登録した者です。
    いやー、できる! できますね彼は!!
    来年のトヨタはライコネンと可夢偉になったら嬉しいです。
    トヨタの夢(優勝)と日本人の夢を同時に狙えるかもしれないという…
    とはいえ、今度はフェラーリとマクラーレンが黙ってないのでしょうが。
    特にフェラーリが凄いことになりそうな予感(;・ω・)

  3. KURU-MANIA より:

    いやはや、いいものを見せていただきましたよ。可夢偉といい、バトンとウェバーのバトルといい…
    フィジコは…ドンマイとしか言いようがないですな(笑)
    よりによってドライブしたマシンが扱いの難しいF60だったんですから…
    そうそう、ブリヂストンが2010年をもって撤退するようですけど、それ以降はどうなるんでしょうね~。
    これからが楽しみになってきましたね^^

  4. きんなん より:

    こんにちは、きんなんです。
    今年のチャンピオンが決まったことで正直もう観きったという心境になり、最終戦のことをすっかり忘れてました(^^;)。
    と言うわけでレースのことは全然分かりません。
    とりあえずカムイが入賞し、レッドブルが1-2を獲り、チャンプのバトンも存在感を示したらしいのでよかったのではないでしょうか(笑)。
    さて、今年のF1ですが、レギュレーション改定のおかげで全体的に大変面白いシーズンとなりました。
    しかし、1年間F1をこんなに真剣に見たのは初めての経験です。レースそのものが面白かったのもありますが、やはりこのサイトの存在が私にとって、今年のF1をより面白くさせていたと思います。
    誠に勝手ながら、来年もこのサイトとF1を楽しませて頂きます。よろしくお願いします。m(__)m

  5. Rest より:

    可夢偉凄いですねぇ…
    ちょっとこれは本物ってやつでしょうか?
    キミをスタートで抜くだけでも素晴らしいですが、バトンとアロンソの対処の冷静さが今までの日本人ドライバーと違う気がします
    絶対にトヨタは可夢偉を使って欲しい所…
    だったんですがねぇ!(泣)
    まだ正式には発表はされてはいませんが…orz

  6. ビル より:

    初めてコメントをカキコミさせて頂きます。
    残念な知らせが届いてしまいました。トヨタ撤退!可夢偉の来年はどうなるのでしょうか?

  7. SYORI より:

    たーさんどうもです。ホント可夢偉の活躍は久々にアツいものを感じさせてくれましたが、なんか怪しい雲行きになってきましたね。正式に撤退が発表されてしまったら、可夢偉はどうするんでしょうか。TDP出身が足枷とならない事を祈るばかりですが・・。
    フィジケラはどうもF60の挙動に最後まで馴染まなかったみたいですね・・。バドエルの時は経験不足から来る遅さだとばかり思ってましたが、フィジケラのような現役ドライバーでさえあの遅さだった訳ですから、バドエル自身は安堵しているかもしれませんね(笑)。そういう意味ではライコネンは驚異的な速さであのマシンを操っていたんだと思います。
    CGカメラ、他のスポーツでも使ってるんですねー。一体どういう仕組みでやってるんでしょうか・・。

  8. SYORI より:

    りょさんどうもです。「可夢偉」は私も学習させましたよ(笑)。トヨタ移籍に関してライコネンは眼中に無い発言をしてましたけど(笑)、それ以前にトヨタが来季居ない可能性が高まってきましたからね・・。個人的には一貴・可夢偉のペアなんか面白いんじゃないかなっていう想いもありましたが、そんな事を言ってる場合じゃなくなってきましたし。
    恐らく参戦してから最高の速さを持っていたシーズンですし、来季のトヨタは面白そうだったんですけどね。

  9. SYORI より:

    KURU-MANIAさんどうもです。最終戦のバトルは確かに楽しかったですよねー。やっぱり皆が求めているのは行列レースじゃなくて抜きつ抜かれつのアツいレースなんですよね。
    フィジケラは、ホント何と言いますか。可哀想だなとすら思いますが、でも多分彼はこうなる事もある程度織り込み済みだったかもしれませんね。少なくともフォースインディアに居た時より成績が悪くなる事は予想してたんじゃないでしょうか。ここまでマシンが扱いにくいとは想定してなかったかもしれませんが・・。でもフィジケラ本人は後悔してないでしょうね。イタリアの子供なら誰もが憧れるフェラーリF1ドライバーになれたんですから。
    ブリヂストン撤退と言う事で、どうなるんでしょうね。グッドイヤー、ミシュラン、ピレリ辺りが出てくるんだと思いますが、1社独占供給を行うには相当な資金が必要ですし、複数メーカーが参戦する事になるんじゃないでしょうかねー。

  10. SYORI より:

    きんなんさんどうもです。最終戦は結果が分かってしまったらなかなか辛いものがありますが、途中は夢を見させてくれるような展開でしたよ。結構楽しませてもらいました。
    今年のF1は今までと違って、シーズン序盤に優位なチームがそのまま最後まで争うという流れにならない、ホント不思議なシーズンでした。これだけ勢力図がレースによって変わるレースも珍しかったですよ。そんな中、私のブログをお褒め頂き大変恐縮です・・。毎回あまり大した事は書いてないと思いますが、来年以降も、勿論今年も色んな記事を書いていこうと思いますので、こちらこそまた宜しくお願いいたします。

  11. SYORI より:

    Restさんどうもです。可夢偉の評価はブラジルGP後も結構高かったのですが、今回の最終戦で確たるものになりましたよね。特に海外メディアからの評判がかなり高いようですよ。それだけあの走り(誰が相手でも怯まず挑んで行く姿勢)が評価されたという事でしょう。
    来季はトヨタが起用すると言う事で、ほぼ確実だろうなと思っていたのですが、想定外(実質は想定していた事ですが、可夢偉の活躍ですっかり頭から消えてました;;)の事が起こってしまいましたね・・。でも、可夢偉はトヨタを離れてでもF1に行って欲しいと思います。何とかならないものか・・。

  12. SYORI より:

    ビルさんどうもはじめまして。先ほど記事もアップしましたが、午後以降に行われるであろう発表が注目ですね・・。果たして本当に撤退を発表するのか。可夢偉はどうなるのか、大変気になります・・。

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