スパイカー次なる手
今度はトロ・ロッソに正式に異議申し立てをしたようですね。例のカスタマーシャシー問題の件です。しかしこの件で驚いたのは、複数パーツがレッドブルとトロ・ロッソのどちらのマシンにも共用して使えるという証明になる、図面のコピーをスパイカー側が手に入れたという事です。しかもそこには「レッドブル・レーシング」の文字もあったとか。
問題なのは、第三者機関がマシン作成している、としてレッドブルが主張していた「レッドブル・テクノロジー」社の文字じゃなく、本家「レッドブル・レーシング」名義の図面であったという事。となると、知的所有権がレッドブル・レーシングにあることの証明となるわけで、そのパーツを使っているトロ・ロッソは問題になります。こうなると今までの主張が通らない可能性が高くなりそう。また昨日にセパンサーキット内で問題のパーツを数点スチュワードに押収されているようです。勿論これら問題が完全解決されるには相応の時間が掛かるでしょうが、SAF1よりも分が悪くなってきたのは間違いないでしょう。
ある意味SAF1にとっては追い風かもしれません。ようするにスパイカーはコンストラクターランク10位以内に入りたいだけなのです。それでFIAからの巨額な分配金(TV放映料+機材輸送費用)が手に入ります。1チームでもコンストラクター部門から除外できれば、現在11チームいるチャンピオンシップで、自チームがどれだけ遅くても10位に入りますから。となるとSAF1はもう放置でトロ・ロッソに攻撃を集中、という可能性も出てきます。
勿論スパイカーのこの行為には批判も多いと思います。他チームを云々言うくらいなら自分のチームのマシンを速くする事に一生懸命になれ!と言われるのも正論でしょう。ただ問題なのは、このような曖昧な解釈を可能にしている現行レギュレーションなのであって、スパイカーだけが非難を浴びるのもどうかとは思います。生き残りを掛けたサバイバルな世界ですし、参戦費用も恐ろしい額でしょうから、必死になるのも分からないでもないですが・・。まあ、個人的ホンネを言えば、「何のためにF1に参戦してきたの?」と思いますが(笑)。最終的には投機目的でチーム買収したのでは?と勘ぐりたくなります。
あと違った意味での問題?となりそうなのが、スパイカー側がこの問題の図面のコピーをどうやって入手したかです。これには正直驚きました。そんな事がありえるの?って思いましたから。現行マシンの設計図なんて極秘中の極秘でしょう、普通に考えても。これを入手した、ってもし公言しなければ、それを見てパーツを作れるじゃないですか(笑)。極論を言えばマシン一台分の図面のコピーを入手すれば、知的所有権を違法なく所有可能でコピーマシンですら作れてしまいますよね?。それくらいこの図面のコピー入手、というのが驚く状況なんですよ。
これは何となくレッドブル側の人間が買収?とかされてコピーを提供したとか横流ししたとか、そういう可能性しか考えられないですよね。スパイカー側がレッドブルに「コピーをください」といって貰えるものじゃないですからね(笑)。これは違った側面で大きな問題になりそうな気がします。