2006年 F1 開幕戦 バーレーンGP
昨日は久しぶりのF1開幕ということで、わくわくしておりました。
決勝も見所がありましたし、レースそのものも面白い展開でした。サーキットの特性上かオーバーテイクシーンも結構ありましたので、見ていて面白いレースだったと思います。
まずはSAF1ですが、本当に凄いとしかいいようがない「完走」を琢磨がやってくれました。これだけでも十分価値があります。前回投稿時にバーレーンにマシンを持ってこれただけでも奇跡だと書きましたが、この完走はそれと同じくらい凄いことだと思っております。ピットも6度入っておりますが、無線や給油リグの調子が悪かったようで相当バタバタしていたようです。ガソリン給油の為にピットインした後、ちゃんと入っていないのが分かったようですぐにピットに戻ったようなのですが、無線もおかしかった為に何故琢磨がピットにすぐ戻ってきたのかクルーも分からず、琢磨は思わず「ガソリン下さい」とスタンドに来店したお客さんのように直接クルーに言ったようです(笑)。
思わず笑ってしまいましたが、そういう事が済まされるのは序盤だけと肝に銘じておかなければいけませんよね。井出のペナルティもスタート15秒前にスタッフはクルマから離れなければいけないというレギュレーションを犯したという事ですし、不慣れは仕方がありませんが、同じことを繰り返すことはいけませんので、クルーも勉強期間とは言いつつ今後は頑張ってもらいたいものです。
しかし完走したからといって、これで安心する訳にはいきません。過去にフェラーリに移籍したマンセルが新導入のセミオートマトランスミッションを操り開幕優勝したことがありました。この時もトラブルが出なかったことで奇跡だと言われましたが、そのシーズンは結局セミオートマのトラブルに泣かされるシーズンとなったことがあります。そういう点で信頼性が良いと結論づけることは出来ませんので(勿論、井出のマシンは週末を通してトラブルが出ていた)、今回週末を通して600kmは走っているでしょうから、コレも凄いことですが今までのテストで走った総距離よりも多く走れています・・。tだ亜久里代表も「完走したのは嬉しいがやっぱりレースをしにきているんだから、レースがしたいよね」、とコメント。最初のステップは通過しましたので、SA06が登場するまでの暫くは厳しい戦いが続くはずですが、「攻め」の部分をほんの少しづつでも出していけるよう、今回のデータを元に1週間しか猶予がありませんが次戦マレーシアGPの為に頑張ってほしいと思います。
レースはアロンソが際どい接戦を制して、開幕優勝。新旧チャンピオン同士のバトルは見ごたえがありました。ミハエルもレース後会見で言ってましたが、予選時に渋滞の為110%ルールに到達しないラップがあったようで、その分の給油を行えなかったので、1LAP損しています。もしそれがあれば、1LAP速いタイムで走れていたでしょうからレース結果も変わっていたかもしれませんね。まあでもこれがレースですし、ミハエルもマシンの戦闘力に満足していたので今シーズンはフェラーリの復調が本当に見られそうです。
ライコネンも見事3位表彰台と昨年後半に見せたような最後尾からの追い上げを見せてくれました。マクラーレンは懸念していた信頼性の問題を今回も露呈してしまいましたので、出来る限り早期解決しないと昨年の繰り返しになるかもしれません。しかしマシンポテンシャルはかなりありそうですので、今回の表彰台は今シーズンの主役となるであろう3人が揃ったという感がありましたね。
ホンダ勢はバトンがライコネンに僅か及ばず4位でした。しかし開幕から速さは見せていますので昨年よりかなり良い感じで来ていますね。トップ3の間に割って入ってこれそうなポテンシャルを秘めているマシンだと感じますので、開発をどんどん進めていってもらいたいとおもいます。今期はホンダも勝たなければいけないシーズンだと思っておりますので。バリチェロは終始タイムがあがらず後方に沈んでおりましたがミッショントラブルだったようです。
さて今回の影の主役はなんといってもニコ・ロズベルグではないでしょうか。ウィリアムズチームに抜擢された若干20歳の若者は初レースポイントゲット、ファステストラップまで記録です。特に終盤の速さは際立っていて、トップ2よりも速いラップをコンスタントに出し続けていました。私は毎回スカパーで生放送を見ながらノートPCでタイミングモニターを見て観戦しているのですが(笑)、終盤のタイムは素晴らしいものがありました。久しぶりに期待の大型新人という感じを受けました。父ケケ・ロズベルグがチャンピオンを取った82年はウィリアムズ・コスワースであったという事実も現在息子がいるチームと同じ状況であることも何かを感じたりします。マシンもやはりシャシー・エンジンのパッケージがかなり良いと思われますので、ウィリアムズチームは勿論のこと、ニコにも期待せずにいられません。