2010年 F1 第17戦 韓国GP

初開催の韓国GP。レース直前までサーキットが未完成状態で、本当に開催出来るのだろうか、とかなりヤキモキしていましたが、何とか無事開催出来ました。コースそのものはドライバー全員が気に入っているようで、実際オンボードを見てもかなり楽しそうな感じです。ロングストレートや高速セクション、低速複合コーナーがあったり、ブラインドの市街地のようなコーナーがあったりと、様々なサーキットの特徴をちりばめたようなレイアウトといった印象です。ここはヴァーチャルで走ってもかなり楽しそうな気がしますねー。

さて、サーキットのこけらおとしがF1というのも前代未聞みたいで、サーキット舗装のグリップレベルはかなり低いものと思ってましたが、そこは流石F1ドライバー。金土と大きな混乱もなく走行を重ね、良い感じにラバーグリップが乗ってきたのですが、土曜夜から大雨となってしまい、折角のラバーも洗い流されてしまいましたので、天気がドライになったとしても波乱を予感させましたが、決勝時間を迎えてもやむ気配は無く、何か今日はとんでもない波乱が起こりそうな予感でした。

スタートはディレイされ、そしてSCを先導してのスタート。しかし3周走った時点でレッドフラッグ。そこからは約1時間近くレース中断となります。その後再びSC先導の中、再スタートを切って10周以上をローリングし、いよいよレーススタート。

予選の結果や状況からして、レッドブルがワンツーを決めるのは確実かと思っていましたが、やはりこういう天候となるとすんなりとは終わりませんね。といってもレッドブルが全滅するとは誰が予想したでしょうか。
ポイントリーダーのウェバーは完全なミスにより自滅、ロズベルグを道連れにクラッシュ・リタイアとなってしまいます。今宮さんも言ってましたが、雨のレースは今まで勝った事が無いんですよね。ああいうミスでレースを落としてしまうとチームとしても非常に難しい立場に自ら落としてしまうような気がしてなりません。これでチャンピオンシップも大きくヴェッテルに流れていき、次戦からは名実ともにヴェッテル優先のチームとなるのかな・・と思っていましたが、終盤にまさかのエンジントラブル。大きく煙を吹いてルノーエンジンが息絶えた時は、まさかの展開に衝撃でした・・。

レースは、ヴェッテルのリタイアでトップに躍り出たアロンソがそのままトップチェッカー。ハミルトンとマッサが続いてフィニッシュ、その後に映像にはあまり映りませんでしたが、ミハエルが復帰後最高位の4位チェッカー。出来れば表彰台に・・と思っていましたが、あと一歩届きませんでしたね。

レースは75%を消化するかどうかが注目となっていました。未満だとハーフポイントとなってしまうので、ウェバーにとっては祈るような思いでそうなって欲しいと思ってたでしょうし、他のタイトルを争うドライバーは何とか超えてくれと思ってたでしょうね(笑)。
結果、42周を終了し、75%をクリアしてポイントが全て付与される状況になった時点で、他のドライバーは早く終われ!と思ったことでしょう(笑)。実際、日没が迫り、テレビで見るよりも相当暗かったんじゃないかと予想しましたので。エンジンブローでノーポイントとなったヴェッテルは、本当に早く終わっていれば・・と悔やんでも悔やみきれないでしょうが、こればかりは運ですからね。エンジンに一番厳しいと思われるアロンソも残り2戦どうなるかですから。

これでランキングはアロンソがトップ。残り2戦でアロンソが単独トップに来るとは予想もしませんでした。特に中盤戦の状況を見ていた限りでは。ウェバーはまだポイントランク2位ですので、アロンソに何かあればチャンスは残っていますし、ハミルトンとヴェッテルもまだ分からないかなという感じでしょうか。でも、大きくアロンソにチャンスが巡ってきた事は間違いありません。唯一の気になる点は、前述したエンジンでしょう。8機目を既に使い切っているので、何かあれば即10グリッド降格となってしまうだけに、残り2戦で何かあれば、一気にポイント差を詰められてしまう可能性が高いです。その時にウェバーが勝つような事があれば、逆転される可能性もありますから。ブラジルとアブダビもレッドブルが速いコースかと思いますが、また今年も凄いドラマが終盤に待っているような気がしてなりませんね。楽しみです。

そして可夢偉。早い段階でインターミディエイトに交換し、レース終盤は摩耗が厳しそうで苦しい展開となっていましたが、上位勢の脱落に助けられ8位フィニッシュとポイント獲得。韓国GPだけにアジア人贔屓だったのか、日本GPでの活躍があったからか、今回も国際映像に良く映っていました。スーティルとのアクシデントにはヒヤっとしましたが(スーティルは次戦5グリッド降格ペナルティ)、何とかフィニッシュまで持っていってくれて素晴らしかったですね。ホント、この安定感と堅実性、そしてタイヤを持たせる走りと、攻める時はガンガンいくという、このメリハリがとても良い感じに思えます。ペーターさんもさぞかしご満悦ではないでしょうか(笑)。
残り2戦、ブラジルとアブダビは去年に可夢偉の人生を大きく変えた2レース。また良い走りを見せてくれて、良い形でシーズンを終えてもらいたいですね。

2010年 F1 第17戦 韓国GP” に対して6件のコメントがあります。

  1. yoshinori より:

    初開催で慣れていないのかマーシャルの動きが遅すぎるような気がします。
    駆けつけるのが遅かったり、ドライバー(ベッテル)が自ら消火作業をしていたり…
    レッドブルは残念でしたが可夢偉君はまたまた頑張ってくれましたね。(笑)
    この調子で残りも入賞してもらいたいです。
    ヤフーのニュース記事では韓国関係なのでコメント欄が大変なことになっているようです。
    今シーズンも残り2戦になってしまいましたがどんなドラマが展開されるか楽しみです。
    ゲーム版F1 2010ではピットレーンの出口が第2コーナー付近となっていたので危ないのではと思いましたが予選・決勝の中継映像を見て修正?されていたので安心しました。
    コードマスターズにどんな資料が提供されていたのか…(笑)
    コースレイアウトはパッチで早急に対応してもらいたいです。
    ゲームではキャリア2年目にして早くもレッドブルに所属し連戦連勝しています。(笑)
    F1 2010のランク設定では速い順に
    ・レッドブル&マクラーレン
    ・フェラーリ&メルセデス&ルノー
    ・ウィリアムズ&フォースインディア
    ・トロロッソ&BMWサウバー
    ・HRT&ヴァージン&ロータス
    というランクが設定されているようです。
    ゲームの方はバグだらけなので早くパッチを出して~!!(笑)

  2. shirara より:

    韓国GPが「レースとして成立するのか」という、ただ一点のみ興味がありましたが、なんとか成立したようですね(汗)。
    ケガ人も出なかったようですし、それだけで良かったんじゃないかと思いますです。
    気になるのは大会運営が(観客にとって相当ひどいと評判だった)富士スピードウェイと比較してどのくらいなのかな、というところです。

  3. Kinnan より:

    こんにちは、Kinnanです。
    今回はGP的な価値としては、そんなに見たかったわけではありませんが、GP開催直前まで工事を行っていたと言う前代未聞の事態だった故、「GPは無事開催出来るのか?」と言うのみ気になっていました。
    ところが、今週はうっかり見忘れてしまいました(笑)。
    これには理由がありました。
    実は以前から存在を知り、SYORIさんのレビューも観て、俄然観たくなっていたセナのドキュメンタリー映画「アイルトン•セナ 音速の彼方に」を日曜日、ついに観たのです。
    しかし、ブログにも書きましたが、全体的な空気が重く、終始セナとプロストの確執に焦点が当てられていて、正直疲れてしまいました。
    また、私の好きなマンセルの話題が、びっくりする位省略されていて、例えばセナにとって大きなショックを与えたであろう89年ポルトガルや、まず間違いなく「伝説のGP」といって申し分ない92年モナコGPまで省かれていました。
    そんな不満があった物の、巨大なスクリーンを介して観るレースシーンは圧巻を通り越して恐怖を覚えました。思わず「映画館のスクリーンでF1を丸々一戦観戦したい!」と思ってしまった位で、大満足です。
    まあ、上記のような不満はあった物の、久々に観たセナプロ時代のF1に興奮して浮き足立っている間に今のF1の事をすっかり忘れてしまった次第です(笑)。
    今シーズンもいよいよ残り二戦ですが、もう見逃さないようにしたいです...。

  4. SYORI より:

    yoshinoriさんどうもです。
    マーシャルの動きは結構あちこちで話がでていますね。今回は本場(オーストラリアでしたっけ?)のマーシャルが沢山ヘルプで来られてたみたいですが、こんな大きなイベントでのレースも初めてという事でなかなか上手く動く事が出来なかったんでしょうかね。
    でも、来年開催時にどれだけ良く出来るかが汚名挽回のチャンスじゃないでしょうかね。コースとしては最近のティルケサーキットにしてはかなりの良いコースだと思いますし。コース周辺もそうですし、宿泊施設とかも含めた全ての点で改善していってもらって、良いレースにしてもらいたいですね。

  5. SYORI より:

    shiraraさんどうもです。
    韓国GPに関しては、レース前から相当悲惨なニュースばかり全面に出てましたので、かなりネガティブな話題ばかりでしたし、レースに興味の無い人間も注目しているという変な状況だったかと思いますが、とりあえずは開催にこぎつけれたという感じでしょうか。
    富士と比較して・・。実際に行ってないので何ともいえませんが、上空からの映像を見ると駐車場も泥水が浸って凄い事になってるなぁという印象でしたし、恐らく報道されていないだけで、結構そういったアクセス面でも大変な状況があったかもしれませんね。ただ富士はシャトルバスオンリーでしたからこそ発生した問題もありますので、一概には比較は難しいですけどね。
    まあ来年の開催時にどれだけ頑張れるかでしょうね。折角サーキットは良いんですから、このまま続いていってほしいとは思いますけどねー。

  6. SYORI より:

    Kinnanさんどうもです。
    韓国GPを見逃した理由がそんなことだったとは(笑)。確かにあの映画、私も観に行った直後は「面白かった」という印象ではありませんでしたね。物悲しい気分というか複雑な気分というか。そんな微妙な感情で帰路についた感じでしたので・・。
    まあセナの時代は完全にプロストとの対峙でしたからね。プロスト引退後、ミハエルとの時代になるはずでしたが、そうなる前に全てが終わってしまいましたから・・。まあそれでも見た事の無い映像や、私が知らなかっただけかもしれませんが、ラッツェンバーガーのあの事故映像の別カットとか、貴重な映像が結構入ってるなと思ってました。

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