2008年 F1 開幕戦 オーストラリアGP

毎年ワクワクする新シーズン開幕。今年は標準ECU搭載元年と言う事でTCSなどの電子補助デバイスが禁止となり(とはいっても標準ECUを改良して上手く「TCSモドキ」をやってるチームが多いと推測しますが)、荒れるレースが多くなるという前評判がありましたが、今回の開幕戦はまさにそれを象徴するような荒れたレースになりましたね・・。完走8台という超サバイバルレースを制したのは完璧なレースをしたハミルトン。全く危なげない展開で、既に王者の風格すら感じさせました。2番手は冬季テストで不調を伝えられていたBMWのハイドフェルド、3番手に遂に表彰台に上ったウィリアムズのロズベルグ。表彰台に上る直前、仲の良いハミルトンとロズベルグが2人抱き合ってピョンピョン飛び跳ねて喜びを分かち合ったシーンが映し出されましたが、とても印象的なシーンでした。
BMWも本来の速さを発揮してきたのか、かなりの戦闘力を発揮していましたし、ウィリアムズも速さはホンモノという感じがします。少なくともウィリアムズはこの数年で最高のマシンを用意できたんじゃないでしょうか。以下その他の感想を綴っていきたいと思います。

まずフェラーリ。冬季テストでは頭一つ抜けていた感がありましたが、やはり実戦となると上手くいかない部分がありますね。今回2台ともエンジン系に問題が出たという事は深刻だと思います。今回37度という想定外の気温だったという事もありますが、ライコネンの1ポイントしか取れなかったというのはチームにとって想定外以外の何者でもなかったでしょう。次戦マレーシアGPは今週末なので対策の時間が殆ど無いですが、速さはともかく信頼性確保の為に頑張らないといけませんね。同じような気温の厳しいレースになると思うので、個人的にはトラブル回避の為、若干保守的に来るんじゃないかと思っています。なので次レースは対マクラーレンとして考えると結構苦しむんじゃないでしょうかねー。

マクラーレンは全く危なげなかったです。唯一コバライネンがアロンソに再度抜かれた時は「トラブルか?」と思いましたが、捨てバイザーを捨てた時に間違ってピットレーンリミッターのボタンを押してしまったのが原因だったようなので、メカニカル的なトラブルは皆無だったと思います。ファステストも2台が独占してますし、今回の気温などのコンディションを考えても、速さ・信頼性は既に高次元だと思います。
余談ですが、コバライネンがアロンソをオーバーテイクした終盤、ピットのロン・デニスの激しいガッツポーズが昨年の件を象徴していて興味深かったです(笑)。

BMWはハイドフェルドが2番手、予選ではフロントローだったクビサはリタイアしたものの終盤5位を走っていて、開幕にあわせてかなりの仕上がりを見せてきたように思えます。ハイドフェルド自身、まだまだマシンのポテンシャルを出し切れていないと話していますので、今後2強にどれだけ食い込めるか興味があります。ただ今年は2強以外のグループが超接近しているので、攻めの姿勢で開発を進めないとあっという間に中段に飲み込まれていきそうな雰囲気です。

ウィリアムズに関しては、前評判通りの速さを発揮しています。開幕戦でダブル入賞を果たしコンストラクター部門で2位につける結果は予想以上に上々です。ロズベルグの速さは疑いようの無いものですし、一貴に関してもどれだけロズベルグに対して速さを詰められるかがカギだと思います。

ルノーはやはり苦しい戦いでしたね。アロンソの力を思い知る内容でした。しかし4位になったとはいえ、レースペースではマクラーレンに1秒以上話されていますし、順当なレース内容であればポイント圏内に入るのが精一杯と言った感じではないでしょうか。ピケJrも序盤のアクシデントでマシンバランスがおかしくなったのか終始精彩に欠ける走りでしたね・・。予選でも良いところがありませんでしたので、フラビオの顔が目に浮かびますが(笑)、アロンソとの差はあるものの頑張ってもらいたいところです。

その他色々ありますが、長くなるので(笑)日本勢の話題に移ります。

まずホンダ。テストでは不調が伝えられていましたが、対照的にドライバーからの声は良いものが多かったですね。タイム云々よりもドライバビリティがかなり良くなっているという声でしたので、素性はそれなりに良いマシンなのではないでしょうか。言い換えれば、昨年のRA107は本当に乗りにくいマシンだったんでしょうね・・。今レースもバトンのコメントでは予選Q2でミスが無ければ7番手相当のタイムが出ていたという事ですので、現段階ではQ3進出を十分争えるマシンになっていると推測できます。マシン開発も容易に出来るデザインとの話ですので、シーズンが進むにつれて競争力は上がっていくと思いますが、その開発速度が回りより遅ければ意味がありませんので、何とか2強に近づいていけるよう頑張ってもらいたいです。

トヨタに関しては予選ペースから見ると、トゥルーリの力もありますがなかなか良い仕上がりですね。これもテスト時の状況通りといったところでしょうか。信頼性の面ではトゥルーリは電気系トラブルでリタイアしましたので、まずは信頼性確保といったところでしょうか。グロックは派手なアクシデントでリタイアしましたが、それまでは上位を走っていましたので、昨年よりはマシな感じだと思います。ただレースペースはどちらもあまり良くなかったので、やはりまだ中段グループに飲み込まれていると言った感じでしょうか。今後どれだけ開発ペースを上げられるかがカギでしょう。印象的な速さを見せたフォース・インディアのマシンをデザインしたガスコインを放出した事が裏目に出なければいいんですけどね・・。

さてSAF1ですが、今年も運・不運で見ればデヴィッドソンはツイてませんね。テスト不足に加えスペアパーツも絶対的に不足している現状、無事に完走するのが最大のポイントでしたが0周リタイアでクラッシュに終わってしまいました。ギアボックスも3機しかなくフリー・予選では周回制限までしていたSAF1ですので今週末は大丈夫なんでしょうかね・・。
琢磨に関しては、現状で最大限の働きをしたのではないでしょうか。マシンはトラブルでストップしてしまいましたが、一時10位を走っていましたし国際映像にも大分映ってましたからね。解説陣も概ね琢磨を評価する声ばかりでしたので、苦しい戦いが続くでしょうが頑張って欲しいです。

そして一貴。デビュー戦入賞やりましたね!。荒れたレースでしたので生き残れば・・と思ってましたが、よく完走してくれました。7位チェッカー(バリチェロの失格で実質6位)は父親の中嶋悟のデビューレースと同じだったのも印象的でした。あのレース(1987年のジャカレパグア)も灼熱の中完走を果たしたレースでしたが、ホント不思議と父親の姿にダブるんですよね・・。時代は移り変わっていくんだなってしみじみ思いました(笑)。
それにしても次戦の10グリッド降格は残念です。あのシーンは実況で言う前に目視で分かりましたが、明らかに最終手前のコーナーでトップ勢がかなりスローダウンしていたんですよね。で、それまでに速めのペースでそこに差し掛かっていたようなので、後続もついていこうとペースを上げていたんだと思います。で、急激にペースが落ちた為、あの周りの車は急制動していたように一瞬見えました。なので、一貴に対してペナルティというのはちょっと可哀想な気がしますね。まあクビサのことを考えるとリタイアより入賞の方が良いのは間違いないので、あの時点でリタイアにならなかったのは運が良かったと思いますが、あのアクシデントが無ければアロンソの前(4位)もありえたので勿体無かったです。
とはいいつつ、結果としては3ポイントを持ち帰った訳ですし信頼性も問題無さそうなので、今後もビックリするようなシーンを魅せてくれると思います。

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