セロー250 OHLINSリアサス取り付け+スイングアームピボット ベアリング化
8月のクソ暑い時にこんな作業を炎天下でするもんではないです(笑)
多分37度前後はあったかと思うのですが、作業中に熱中症になりかけて(違う意味で熱中してましたのでw)1時間ほどダウンしていたので、結局丸一日くらい作業していたのですが、やった後の満足感、そして試走した時の満足感はかなりのものでした!
そもそも、リアサスをオーリンズにしたいという意向は全くなかったのですが、リアサスはバンプラバーも朽ち果てかなり抜けてる感じでしたので、何とかしたいなという気持ちではいました。ただ、キッカケとは恐ろしいもので、とあるタイミングで私の前にどうですか?となってしまった日にゃ、手に入れない訳ないですよね(笑)。しかも想像以上の安価でしたので。定価で8万以上するものですので、安いといってもそれなりに良い値段はするのですが・・・
まあ色々あって、我が家にやってきたオーリンズ君。
中身は超美しい造形美。自身にとっても初オーリンズです。
手に入れたら速攻取り付けてみたい。休みの日に速攻作業に取り掛かります。ちゃちゃっとリア周りを外していくのですが、今回今まで持っていた30年近くまえのジャッキアップスタンド(過去記事で何度か写真に出てたと思いますが)を、下からクルクル回して持ち上げるタイプのジャッキに変更しました。
車体を持ち上げるのはワンタッチではないので、その点は不便といえば不便ですが、何度も上げたり降ろしたりするものではありませんし、何よりも以前のスタンドで倒している経験があるだけに、安定感最重視で選択したものです。
セロー250はステップ内側部分に左右を繋ぐフレームパイプ?があるので、そこに上手くスタンドのフックが引っかかるようあげられる仕様になっているので、とにかく安定感が素晴らしい。ワイズギアのアンダーガードも付いていますが、それも綺麗に避けてくれるのでセロー整備には申し分ないジャッキかと思います!アマゾンなどで売っている耐荷重500kgあたりのモーターサイクルジャッキを購入されたら問題無いかと思います。
話が横道にそれてしまいましたが(笑)、そんなこんなでリアタイヤを外した後はリンク廻りをばらしていきます。この部分は外したついでにしっかりメンテナンスをしようとオイルシールやシャフトカラーなどは純正部品で揃えておいたのですが、最下部カラー(写真で思いっきり錆びてる分)を除いては、比較的綺麗だった、というよりは恐らく前オーナーがそれほど前ではないタイミングで一度分解整備しているのでは?と思うようなコンディションでした。グリスも残っていましたので。
なので、そのまま使えそうな部品はそのまま使い、買ってあった純正部品はそのまま予備ストックとして置いておくように変更。基本的には、シャフト類やカラー類の研磨、グリスアップを行った部分です。それだけでもリアの動きが渋い車両だと結構効果があるかと思われます。
そんなこんなでリンク廻りをバラし、各種シャフトを抜いていけば比較的簡単にスイングアームとリアサスペンションが外せます。個人的にはこの流れの作業は初めて行ったのですが(もしかしたら過去に89年式CBR250Rのリア周りをばらしたかもしれませんが)、セローというバイクのシンプルさもあって、拍子抜けするくらいの単純な内容でした。
スイングアームなどごっそり外したらこんな感じになります。
このタイミングで奥側の汚い部分を軽く掃除しておきました。ジャッキポイントもこの角度からだと分かりやすいかもしれませんね。
さて、ここからはリアサス交換の前の別作業です。
スイングアームのピボット部分にベアリングを圧入します。セロー250純正だとこの写真の樹脂カラーが入っていてこれがシャフトを支える形になるのですが、当然樹脂なので摩耗すると内部に水が入りやすくなりますし、ベアリングと違ってこの部分との摩擦にてスイングアームの動きを妨げる事になりますので、ここをベアリング化されている方が多いみたいです。
折角サス交換作業の際にこの辺りをバラバラにするんだし、同時にベアリング化をしようと部品は揃えておきました。
この樹脂がスイングアーム左右に刺さっているカラー(純正品番:90386-18099)です。こいつをスイングアームから外す際、多くの方が苦労されているようなので、割れた時用にスペアを用意しておきました。
では早速樹脂カラーをスイングアームから外してみます。
私の場合ですが、エクステンションを2本つないで中に貫通させて叩く方式をとってみましたが、適当な叩く力では本当にビクともしません・・・凄まじい打撃音が近所に響きます(笑)。
最終的に少し動いたかな?と思うくらいからだんだん力加減が分かってきて、最終的には無傷?で片側を取り出す事が出来ました。
最初の片側を取る際は、どうしてももう片側のカラーが入った状態でしか叩けないので、エクステンションの角度が浅く入ってしまい、大きな面積を接触させることが出来ず取りにくいのかなと思われます。片側が外れて、もう反対側を叩き取る時は、エクステンションを入れるスペースが大きくなるので、結果角度を合わせやすく、こちらは1分もかからず外せました。
外せましたら、ここからベアリング圧入です。
先人様の情報からNTNのHK1816LL/3ASというベアリングを4個入手しました。左右に2個づつ圧入する形になります。
こちらのベアリングは左右どちらにもオイルシールが付いているものになります。オイルシール無しのものもあるので、一番外側はオイルシール有、内側の分はシール無しとすれば、ベアリング部にシャフトが当たる面積が増えるのですが、それよりもシール性を優先してみました。どちらが良いのかは分かりませんが、きっとそんなに変わらんでしょう(笑)
準備出来たら圧入です。
スイングアームの形状的に当て木などを用意しておいた方がよいかと思います。私の場合ですが、ソケット17番を使って上からハンマーで押し込みました。本来はプーラーなどを使って圧入するのが良いんでしょうが、この時は上から丁寧に叩いていけば綺麗に入っていくような感じでした。
1個目を圧入する際、2個目も入れる事を考えて奥まで一気にいきたいところですが、過去事例などを調べていると、奥に行き過ぎると最後シャフトが入らなくなるみたいな事例もあるようなので、写真の位置くらいまでで抑えておき、2個目のベアリングを入れる際に1個目のベアリングと共に押し込んでいくようなイメージが良いかと思いました。
どこまで押し込むのか、と言う部分ですが、後述します純正カラーをカットしてこの部分に蓋をするイメージになるので、表面が5mmくらい中に入るような感じで押し込むのを止める感じでしょうか。入れすぎるとシャフトが入らなくなるというのは結構深刻なので(笑)、叩きながら常にシャフトを入れて随時確認はしておりました。
そんな感じで4個圧入し、シャフトが綺麗に中を貫通すれば完了です。
お次は純正カラーの加工です。
先ほど話しました、ベアリング部分のふたを作る工作です。今回外した純正カラーのダメージが無かったので、こちらも用意した新品は使わず使用済み品を加工します。
写真はもうカットされた後ですが、このような感じで先ほどベアリングを押し込んで、中に入り込んだ長さと同等か少し短いくらいの長さでカットします。ノコギリで簡単にカット出来ますが、最終はやすりかリューターなどで綺麗に成型した方がよいです。
そしてスイングアームの先ほどベアリング圧入した部分に押し込みます。グリスなどは事前に注入しておいてくださいね。
ちなみにスイングアームだけの作業でしたら、このまま元に戻していくだけになりますが、この部分もともとこの純正樹脂カラーの外側に丸い金属製の筒みたいなものが更に付いて、それで車体側に取り付ける形となります。でも、この時点でその部品の存在を忘れている方がいるようで、このまま組み込んでいって途中で気付く方が居たり(実際やっちゃいました。もしかして自分だけ?w)、あととても多いのがスイングアーム組みつけ時にチェーンをしかるべき場所に通していないケースなど(笑)。
ある程度組みつけた後に発覚するとショックが大きいので、十分注意しましょう。私の場合熱中症になりかけ休憩後の頑張って作業してた後、上記のミスが発覚したので心が崩壊しそうでした(笑)
スイングアームのベアリング化、リンクのオーバーホールが終わったのでいよいよサスの組付けです。並べてみましたが、純正はほぼゴミレベルです(笑)。そしてオーリンズは意外と細い仕様なんですね。
サス上部のシャフト位置が何とも微妙な部分を通ってます。左側はともかく右側はバッテリー部分横の樹脂穴からシャフトを抜いたり入れたりするんですが、その穴位置が本来シャフトが通る位置と微妙にずれてて(自分だけ?)シャフトを入れる時にかなり苦労しました。穴を削って広げようかと思うくらいです。
そんなこんなで上部が固定出来れば、後はスイングアームを固定しリンク部分を組んでいくだけです。
その後は先ほど書いた注意点(笑)を守りながら、元通り組んでいけば完成です。
疲労困憊でしたが、試走せず終わる訳にはいきませんので(笑)、近所の山へ走りに行きます。
今回もそうですが、サス交換・リンク部OH・ベアリング化と一気に作業しただけあって、リアの動きやしなやかさは作業前とは別物です。正直びっくりするレベルでした。
勿論オーリンズの恩恵が大きいかと思いますが、ギャップの収束度合いが感動ものです。リアに関しては文句のつけようがない感じですね。その分フロントの感覚が余計に気になってくる感じには思えました。フロントもオイル交換とかバネ変更とか考えた方がよいのかもしれませんねー
この後、200kmほどの日帰りツーリング(林道ではない)に行きましたが、とにかく疲れないしギャップの突き上げ感も少ないので、どこまでも走っていけそうな感じです。流石オーリンズだと思いますね。勿論リンクOHやベアリング化も、その部分の劣化が大きければ大きいほど効果を感じると思いますので、全くメンテしていない方は是非オススメです。